みどころ


紀元後79年、古代ローマ帝国の栄光と繁栄のもとに栄えたイタリア南部の都市「ポンペイ」は、ヴェスヴィオ火山の大噴火に見舞われました。

大量に降り注いだ火山灰と火山れきが、逃げ遅れた市民や奴隷、建造物といった暮らしの全てを飲み込み、街は消滅。一時は忘れ去られてしまいましたが、18世紀から発掘が開始されると一躍注目を浴びることになります。

街を襲った火砕流と火砕サージにより、逃げられず焼け死んだ奴隷や、家財を取りに戻った主人、今まさに食事が始まろうとしていたテーブルなどが、まるで瞬間を切り取った写真のような素晴らしい保存状態で発見されたのです。

青い水差し

青い水差し


本展では、ポンペイ遺跡の膨大な遺物を所蔵するナポリ国立考古学博物館が、本邦初公開を含む至宝、約120点を出品。

モザイクや壁画、彫像、貴金属といった美術品のほか、裕福な家庭の豪華な食器や道具類などの日用品の展示を通じて、2000年前の生活様式や高度な文明を紹介します。

タイムカプセルのごとく残された、古代ローマ時代の人々の生活空間や美術品が、当時の姿を現代によみがえらせます。

ナポリ国立考古学博物館が誇る至宝、
約120点が大集合

質・量ともに世界屈指。ポンペイ周辺から出土した遺物のコレクションを所蔵しているイタリア・ナポリ国立考古学博物館の協力を得て、本邦初公開を含む120点の至宝を紹介します。同館が誇る第一級のモザイク画、フレスコ画、彫像が並ぶほか、調度品や宝飾品、仕事道具などさまざまな角度から当時の暮らしに迫る展覧会です。

2000年前にタイムスリップ!
街の邸宅を再現展示

ポンペイ遺跡でも著名な邸宅の一部を再現展示。探索気分が味わえるとともに、出土品が物語る、持ち主の人となりに思いを馳せていただきます。
また、栄えた時代の異なる複数の名家から出土した作品群をハイライト展示。「葉綱と悲劇の仮面」などモザイク画の傑作や「踊るファウヌス」「竪琴を弾くアポロ」などのブロンズ像に注目です。

充実の映像コンテンツで内容もわかりやすく!

紀元後79年、ポンペイで何が起きたのか。1700年を経た18世紀から、現地ではどんな発掘が行われているのか。複数の映像素材を用いてわかやすくご案内。時空を超えた旅のお手伝いをします。

第1章
ポンペイの街 ― 公共建築と宗教

街の基盤となった公共施設やインフラにフォーカスを当て、ポンペイへ思いを馳せていただきます。中央広場や円形闘技場、浴場、運動場といった公共施設にまつわる作品のほか、アポロやウェヌス、イシスといった古代ローマの神々も取り上げ、人々の精神的な支えとなった宗教と信仰についてもご紹介します。

擬アルカイック様式のアポロ

擬アルカイック様式のアポロ

劇の準備

劇の準備

パレード用の兜

パレード用の兜

俳優(悲劇の若者役)

俳優(悲劇の若者役)

俳優(女性役、おそらく遊女)

俳優(女性役、おそらく遊女)


フォルムの日常風景

フォルムの日常風景

第2章
ポンペイの社会と人々の活躍

裕福な市民たちの暮らしぶりを紹介します。財力や教養を誇示しようとした家財や装飾、宴席を飾った豪華な品々から、彼らの嗜好が想像できます。また奴隷の身分から解放されて「自由人」になった人の中には、銀行業で成功した資産家もいました。このような人物にちなんだ遺物からは、出自に関係なくチャンスを与えた、古代ローマ社会の寛容な一面もうかがえます。

黒曜石の杯

黒曜石の杯

へタイラ(遊女)のいる饗宴

へタイラ(遊女)のいる饗宴

哲学者たち

哲学者たち


マトローナ(既婚女性)

マトローナ(既婚女性)

エメラルドと真珠層のネックレス

エメラルドと真珠母貝のネックレス

通称「メメント・モリ」

テーブル天板(通称「メメント・モリ」)

ヘルマ柱型肖像

ヘルマ柱型肖像(通称「ルキウス・カエキリウス・ユクンドゥスのヘルマ柱」)

第3章
人々の暮らし ― 食と仕事

都市の食生活や、人々の日常生活を紹介します。
街中にはパン屋やテイクアウト可能な料理屋が軒を連ね、ポンペイの市民は手軽に食料を手に入れることができました。また、裕福な家庭では使用人たちが台所で調理し、主人に食事を提供していました。台所用品や食材、医療用具や農具、工具などの展示を通じて、当時の人々の暮らしに触れていただきます。

ユピテル=アンモン形の錘つき竿秤

ユピテル=アンモン形の錘つき竿秤

パンのある静物

パンのある静物

炭化したパン

炭化したパン

仔ブタ形の錘

仔ブタ形の錘

第4章
ポンペイ繁栄の歴史

ポンペイ遺跡でも著名な3つの邸宅に注目します。ヘレニズム美術屈指のモザイク装飾に目を奪われる「ファウヌスの家」、ローマのもとでの繁栄を象徴する「竪琴奏者の家」、噴火直前に描かれたフレスコ画で知られる「悲劇詩人の家」、それぞれが栄えた時代を映し出す作品を通じて、ポンペイの繁栄の歴史をより深く知ることができます。会場内には邸宅の一部を再現展示します。

踊るファウヌス

踊るファウヌス

竪琴を弾くアポロ

竪琴を弾くアポロ

猛犬注意

猛犬注意

ネコとカモ

ネコとカモ

イフィゲネイアの犠牲

イフィゲネイアの犠牲


葉綱と悲劇の仮面

葉綱と悲劇の仮面

第5章
発掘のいま、むかし

ポンペイ同様に噴火で埋没した周辺の遺跡も含め、18世紀からの発掘の歴史を振り返ります。エルコラーノ、ソンマ・ヴェスヴィアーナから出土した美しい彫像や、ポンペイ「キケロ荘」の壁画を在りし日の壁画再現とともに展示。現在進行形の発掘作業や作品修復の様子も映像でご紹介します。

アレクサンドロス大王のモザイク

アレクサンドロス大王のモザイク

※参考画像。本作は出品されません。映像のみでの紹介となります。

ペプロスを着た女性(通称「踊り子」)

ペプロスを着た女性(通称「踊り子」)

ヴェスヴィオ山周辺の遺跡

ヴェスヴィオ山周辺の遺跡

専門機関による作品内部の診断調査

専門機関による作品内部の診断調査

所蔵上記のない作品図版はすべてナポリ国立考古学博物館蔵 Photos©Luciano and Marco Pedicini